HITOYOSHIのボタンダウンシャツ
ボタンダウンシャツは定番中の定番ですが、それゆえに各社がこだわりを込めるアイテムです。
今回のシャツには、当社のマスターパターン(型紙の原型)の基となった型紙、いわゆる「マスターパターンのマスター」を採用しています。ボタンダウンシャツは、作り手の思いがよく反映されるアイテムだと考えています。
こだわりのポイントは、襟の適度なロール感です。1枚1枚、釦位置決定用の型を使って釦の位置を調整しています。また、前立て幅を広めに設定し、それに見合う大きめの貝釦を採用。大きめの釦は、外すときに手に吸い付くような感触があり、メンバーからも好評です。
カフスにも襟と同様、手首に馴染む立体感を持たせました。手口には6本のタックをあしらい、タック分量を細かく拡散させています。
さらに、裾の脇には「ガゼット」と呼ばれる補強を施し、耐久性を高めています。
かつて、男性のシャツは下着を兼ねていました。時代とともに様々な形に変化し、現在のシャツテール(裾)に至っていますが、昔の面影を残した前立てと裾のデザインを取り入れました。この仕様にはカーブが多く、縫製も難しくなりますが、シャツの裾が着用時のアクセントとして楽しめます。
また、本前立ての最下位ボタンの横に、さりげない刺繍をあしらっています。
このシャツは、日々のさまざまな場面で異なる表情を見せてくれる一着です。洗いざらしでカジュアルに楽しむのもよし、アイロンで整えてきれいに仕上げるのもおすすめです。シャツを楽しむことは、自分を楽しむことだと考えています。
ジーンズを穿き込むほど体に馴染むように、自分の手で育てられるボタンダウンシャツを目指しました。IVYスタイルに代表されるアイテムですが、硬くなりすぎないカジュアルな雰囲気も魅力の一つ。スカーフやネクタイで彩りを添えるにもぴったりなシャツです。
「着てみてはじめてその違いがわかる」――そんなボタンダウンシャツを、ぜひ一度ご覧ください。