特 集The Cover Story

SARTORIAL JERSEY( サルトリアルジャージー)

SARTORIAL JERSEY( サルトリアルジャージー)

SARTORIAL JERSEY( サルトリアルジャージー)

SARTORIAL JERSEY(サルトリアルジャージー)

SARTO(サルト)はイタリア語で「仕立て屋」を意味します。

JERSEY(ジャージー)は糸を編んでできた布、あるいは編物(ニット)の生地で作られた衣類をさす言葉です。HITOYOSHIではSARTORIALJERSEY(サルトリアルジャージー)と名付けて、ニット素材を使用した、仕立ての良いシャツを作りました。


生活環境が変化することにともない、洋服を取り巻く環境も常に変化しています。

ジャケット・パンツ・スーツの機能性が重視される中、インナーであるシャツの素材や形も変化が見られます。

ニット(編物)の性質を活かしたシャツ作りを目指しました。シャツを縫製する上で重要なポイントとなる「襟の見え方」、「細やかな縫製」、「立体的な縫製」等、HITOYOSHIの蓄積した多くのノウハウをSARTORIALJERSEY(サルトリアルジャージー)に応用しています。


ニットとは編み物の総称で、たて、よこいずれか一方方向の糸によって作られるループを連結させて布地にしたものです。一般的にTシャツやスウェット等の肌に近いアイテムに使用される布地です。

ニットの性質は

○伸縮性が大きく、身体にフィットしやすい。

○ドレープ性がある。

○柔軟でシワになりにくい。

デメリットとしては裁断縫製がとても難しく、縫製するミシンはロックミシン等、一般的に

編物用のミシンを使用することになります。


ニット(編物)は糸のループで形成されているので、布地を切ったときに端のループが切れた状態になります。切れたループをロックミシンで繋ぎ合わせるように縫い合わせる方法が主流になります。

※ロックミシンでの始末の例 ↑


SARTORIALJERSEY(サルトリアルジャージー)は織物の布地で作るシャツと同じ方法で縫製しています。

ニットの性質上、布地の裁ち目のループが切れてカールしたり、ループが切れないようにミシン針の形状を変えたりと、とても難易度の高い方法ですが、時間を掛けて素材の特性を理解して縫い糸のテンションを調整することで可能となりました。

※SARTORIALJERSEY(サルトリアルジャージー)の縫い代始末 ↑


普段見えないシャツの内側の始末にもこだわります。

可能な限り肌にあたる部分が平らになるように折り伏せ縫いを採用しており、縫製と着心地のバランスを取った設計になっています。脇の縫い目を裏から見ていただくと、縫い代が見えず袋状に内側に縫い込まれ、フラットに仕上がっていることがお分かり頂けると思います。巻き伏せ本縫いという高度な技術を応用し、縫い幅も細くすることで、シルエットがすっきり仕上がり、裏の縫い代が肌にあたってゴロつくことがなく、着心地もよくなります。

「襟回り」は会話の時に「顔」の次に良く目に入る場所です。見る側の印象に大きく影響を与えるものだと思います。

※SARTORIALJERSEY(サルトリアルジャージー)はニット素材を使用して、シャツ1枚では柔らかい雰囲気になりますが、衿は立体的で形の整った作りになります。


 

襟の立体感と自然なカーブを作る為に、襟の表地と裏地の大きさを変えて生地を裁断します。

大きさが違うものを丁寧に合わせて縫って行く事で縫い上がった襟は自然なカーブを描く事ができます。


湾曲した特注の押え器具がついたミシンを使用してシャツの顔でもある衿の縫製を行い、表側と裏側で数ミリ長さを違えて縫製することで立体感を持たせます。この一手間をかけることで、洗濯しても首のラインに自然に沿うよう衿にカーブを持たせて、着用時に襟元が角をつくらずきれいな曲線を描けます。衿羽根がやわらかくロールするので表情も優雅に見え、昨今の肩パッドのないアンコンタイプのジャケットにも似合います。

シャツの印象を左右するステッチ(運針幅)は細かいほどシャツがやわらかくエレガントに見えます。一般的なワイシャツは3cm間に16〜18針ですが、「HITOYOSHI」シャツは21〜24針に設定されています。この細かなステッチによって、シャツ全体が洗練された雰囲気に仕上がります。

またこの細やかなステッチで縫製するときにシワが入らないように、丁寧に合わせて縫っており、縫製の難易度が高いですが細部のこだわりを感じて頂けると思います。


 

人間の腕は手首に向かって細くなっています。そのためシャツの袖筒も均一ではなく、手首に向かって細く作っているのですが、とくにカフス部分は手首にフィットするぐらい細くなるように仕上げています。

こうすることで袖が多少長くても手の甲まで隠れてしまうような、ダボついた着方にはなりません。

袖口が手首で止まり、スマートな着方ができるようになっています。


HITOYOSHIの蓄積した多くのノウハウを活かして、ニット素材の仕立ての良いシャツを作りました。

SARTORIALJERSEY(サルトリアルジャージー)をお楽しみ下さい。