ツイードのジャケットや大き目の畝（うね）のコーデュロイジャケットに合わせるシャツが作りたい。そんなイメージでスケッチしたのがこちら。↓

「キレイ目のシャツに落とし込まずにデザイン性の強いシャツで合わせても良いねっ！」
ということでカジュアルイメージの強いウエスタンシャツを作ることにしました。
でもスタイリングとしてはネクタイを着用したい気持ちがあったので
衿先にルミラーポケットの仕様を採用しました。
通常ではルミラー（衿補形の為の付属品）は衿先に向けて斜めに差し込むのが基本仕様です。

最初はこの方法でサンプルを作成したのですが、
次のサンプルからルミラーポケットを衿先に平行に付けることにしました。
この位置が一番ネクタイ着用時の衿立が綺麗に見えたからです。
すべてのシャツに適用するわけでは無いですが、
衿の形と角度によって吟味が必要になります。

※衿先に平行なルミラーポケットを採用しました。

※ウエスタンシャツにネクタイ着用、立ち衿で衿元を立体的に仕上げています。

次はウエスタンシャツ特有のポケットフラップとヨークのカーブです。
ここも同様に型紙を何回も修正しました。
はじめはカーブを強くし過ぎないように抑え気味でラインを描きました。
強いカーブは全体のデザインを尖って見せるように感じていたからです。
しかしながらそうはうまく行かず、生地の厚みで描いたラインは更に緩やかに見えました。
微妙な加減で曲線の修正を重ねました。

※胸ポケットの最初のドラフト

※胸ポケット修正ライン

※後ろヨークの修正ライン

この曲線は機能性とは関係無く、デザイン性が主な役割、
正解は無いのですが、ようやくデザイン線が決定しました。

※胸ポケット

※前ヨーク

※後ろヨーク

素材は綿100％のインディゴ素材。
デニム生地に使用する糸の一般的な染色方法、
ロープ染めにより中シロ（糸の中心が染まっていない状態）の為、洗い、着用を重ねる度に雰囲気が少しずつ変わる素材です。
もちろん洗いの時に少しずつ染料が落ちる為、移染もございます。洗濯の時には注意が必要になりますが、自分で着て育てる楽しみな素材です。

※タイドアップのイメージ

もちろんノータイでサラリと着こなしても雰囲気の出るシャツです。
綿100％の素材であらかじめワンウォッシュしてお届けします。